所得税の基本的な仕組みを理解しよう
所得税は、個人が得る所得に対して課される税金です。日本では所得税が重要な税収の一つであり、国や地方自治体の財政を支える役割を担っています。この記事では、所得税の基本的な仕組みをわかりやすく解説します。
これまで様々な方法で国税を納付したり、または延納手続きも経験がある私が体験を踏まえて補足します
目次
所得税の計算方法:所得から税金を算出する
所得金額を算出する:総所得金額から所得控除を引く
所得税は、総所得金額から所得控除を引いた金額(課税所得)に対して課されます。総所得金額は、給与所得、事業所得、不労所得など、一年間に得たすべての所得を合計した金額です。所得控除には、基本控除、給与所得控除、配偶者控除などがあります。
税率を適用する:所得金額に応じた税率で税額を算出
課税所得に対して、所得金額に応じた税率が適用されます。日本の所得税は累進課税制度を採用しており、所得が高くなるほど税率も高くなります。所得税率は5段階(5%~45%)で設定されています。
所得税率の段階と計算方法
所得税は所得金額に応じて段階的に税率が適用される累進課税制度です。所得金額が増えるごとに、税率も高くなります。以下は、所得税率の各段階とそれぞれの税率を示したものです。
- 所得195万円以下:5%
- 所得195万円超~330万円以下:10%
- 所得330万円超~695万円以下:20%
- 所得695万円超~900万円以下:23%
- 所得900万円超~1,800万円以下:33%
- 所得1,800万円超~4,000万円以下:40%
- 所得4,000万円超:45%
もしかして今「年収900万円稼ぐなら、899万円までにしておいたほうが絶対得じゃん!」とか思いました?それは間違いです。
この税率は、各所得区分ごとに適用され、所得金額に応じて税額が計算されます。
つまり、総額で一挙に計算するのではなく、195万円までには5%かけるよ、それを超えて330万円までには10%をかけるよ、と所得を分解して低いところには低い税率を、高いところには高い税率をかけて最後に足し合わせていくという計算になります。
そのため、稼ぎ過ぎてしまったら調整しないと損!ということはなく、ただ追加の負担割合が増えていく、だけなのです。
103万円超えたら損してしまうパートとかの扶養控除とは別の考え方なんですね!
いくつかのケースにおける具体例
ここでは、いくつかの年収別ケースにおいて所得税の計算方法を具体的に見ていきましょう。
年収300万円の場合
年収300万円の場合、所得195万円までの税率が5%、195万円超~330万円までの税率が10%です。従って、所得税の計算は次のようになります。
195万円 × 5% = 9.75万円 (300万円 - 195万円) × 10% = 10.5万円 合計 = 9.75万円 + 10.5万円 = 20.25万円
この場合、所得税額は20.25万円となります。
年収1,000万円の場合
年収1,000万円の場合、所得税率は以下のように適用されます。
195万円 × 5% = 9.75万円 (330万円 - 195万円) × 10% = 13.5万円 (695万円 - 330万円) × 20% = 73万円 (1,000万円 - 695万円) × 33% = 100.65万円 合計 = 9.75万円 + 13.5万円 + 73万円 + 100.65万円 = 196.9万円
この場合、所得税額は196.9万円となります。
年収2,500万円の場合
年収2,500万円の場合、所得税率は以下のように適用されます。
195万円 × 5% = 9.75万円 (330万円 - 195万円) × 10% = 13.5万円 (695万円 - 330万円) × 20% = 73万円 (1,800万円 - 695万円) × 33% = 364.65万円 (2,500万円 - 1,800万円) × 40% = 280万円 合計 = 9.75万円 + 13.5万円 + 73万円 + 364.65万円 + 280万円 = 740.9万円
この場合、所得税額は740.9万円となります。
いくつかの具体例を通じて、所得税の計算方法を理解できました。所得税は所得金額に応じて累進課税制度が適用されるため、自分の年収に応じて税額を把握しておくことが重要です。
所得税の申告と納税:申告期限や納税方法を理解する
確定申告の必要性:所得税の正確な計算と申告を行う
所得税は、年末調整で一部が計算・徴収されますが、所得が一定額を超える場合や複数の収入源がある場合など、確定申告が必要となります。確定申告は、所得税の正確な計算と申告を行い、税額の過不足を調整するために行われます。
納税期限と方法:所得税の納税は確定申告後に行う
所得税の納税は、確定申告後に行われます。確定申告の締切と納税の締切日は一緒なので、もし最終日に申告する場合は、そのまま納税をどうにかしてその日中に終わらせないと滞納したことになります!納税方法には、納税通知書に記載された銀行振込やコンビニエンスストアでの支払いなどがあります。また、クレジットカードでの納税や、インターネットバンキングを利用した納税も可能です。
所得税の還付:過払い分がある場合の還付手続き
還付金とは:所得税の過払い分が戻ってくる金額
所得税の還付金とは、納税者が支払いすぎた所得税が戻ってくる金額を指します。これは、年末調整での計算が過大だった場合や、所得控除などの適用により税額が減少した場合に発生します。
還付手続き:確定申告で還付金を請求する
所得税の還付手続きは、確定申告の際に行われます。過払い分があることが確定申告で判明した場合、国税庁から還付金が振り込まれる口座を指定することが求められます。還付金は、通常、確定申告後2~3ヵ月以内に振り込まれます。
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